FX-AUDIO-『FX-05J』のオペアンプ載せ換え

家じゅうにWiimを設置するほど、Wiimにハマりましたが、これに飽き足らずクルマにも設置しようと思い立ちました。
しかし、Wiim MiniのDACはPCM5121という、スペック的にもワンランク低いものが積まれており、せっかくのビットパーフェクトをスポイルしていると思います。
そこで、Wiim Miniの光出力から別体のDACを通したいと思い、物色したところ、車載するのに相応しい仕様のDACが見つかりました。
FX-AUDIO-『FX-05J』です。

nfjapan.com

なぜこれが車載に相応しいかというと、電源スイッチがないところ。
見えないところに隠すので、イグニッションオン=通電で起動して欲しいのです。
DACチップもESS社のES9018K2Mという、過去に音が良いとされた9018Sのモバイル向けチップ。
ちょっと前のハイエンドポータブルヘッドホンアンプ、通称ポタアンなどのDACとして採用されることが多かった、音質には定評のあるチップです。
しかし、アマゾンの評価の一部に、「手持ちのアンプの方が音が良い」というような気になる記述が。
そこで、購入後にオペアンプカップリングコンデンサを載せ替えることにします。

まず、購入後の素の状態のFX-05Jを聞いてみます。
オペアンプはTL062CNという、低消費電力であるものの、音質的には標準というかイマイチなものが入っています。

ぱっと聞いた感じ、それほど悪くないので、そのまま車載しても良いのでは? と、思いましたが、しばらく聞いてみると、高音の解像感や透明感が足りず、音が平面的で広がりも少ない感じです。
試しに、いつも使っているAK4499EXの音に戻して同じ楽曲を聴いてみると、全然違いました。高音の透明感があり、ハイハットなどの金属音が澄んでますし、全音域で解像感が高く、低音もバシッと輪郭がはっきりしています。大きく違った!
これは、ES9018K2Mの本領が発揮されていないな?と、感じました。

で、オペアンプカップリングコンデンサ探しです。
このサイトを参考にさせていただきました。

spkoba1.web.fc2.com

TL062はJ-FET入力で2回路という仕様。
この仕様を満たすオペアンプを搭載する必要があります。

一番手に挙げたのは、やはりオペアンプの王様、JRCのMUSES01。
仕様通りなのですが、問題はその価格。なんと3,000円以上!
本体が3,980円なのに、本体と同価格のオペアンプはやり過ぎだな、と、思うわけです。
そこで、MUSES01のワンランク廉価版のNJM8901にしたかったのですが、DIPタイプのパッケージが見つかりません。
仕方なく、表面実装型のSOP8のNJM8901Eと変換基板を購入することにしました。

eleshop.jp

そして、カップリングコンデンサは、車に積むことを考えて105℃品をチョイス。
KAシリーズの33μFのものにしました。

eleshop.jp

まずは、NJM8901Eを変換基板にはんだ付けします。
チップを変換基板にセロテープで仮止めし、動かないようにします。
●の窪みがあるところが1番ピンです。
細いピンになんとかハンダを載せ、テスターでショートしていないか確認します。
変換基板にDIP足をはんだ付けして完成です。

さっそくFX-05JのTL062と載せ換えます。
FX-05Jは1.5のヘックスレンチ(六角レンチ)で側面から開けます。
RCAピンがある方を開けた方が良いでしょう。

側面の4つのボルトを外すと、側面が取れ、そこから基板ごと引き出すことができます。
引き出すと、TL062が見えます。

これを引き抜いて、NJM8901Eを刺します。

まず、カップリングコンデンサを載せ換える前に、NJM8901Eだけ載せ換えた時の音質チェックをやってみます。
すると、どうでしょう。
あからさまに音質が変わりました!
高音は解像感高く、澄んだ音になり、ハイハットなどの金属音に雑味が一切なくなりました。
低音もバスドラムなどの音の輪郭がはっきりしています。
チャンネルセパレーションが良くなったのか、左右の広がりも広く感じられます。
数百円のオペアンプひとつでこんなに変わるものかと思いました。
ES9018K2Mのポテンシャルをしっかりと引き出せたんじゃないかと思います。

さて、次はカップリングコンデンサの載せ換えです。
もともとはルビコン製の10μFが載っています。

Rの文字がルビコンを表しているのでしょうか?

16V、10μF、85℃という表示が見えます。
これを33μFの105℃品、ニチコンKAに変更します。
いきなり変更後の写真ですが、背の高さが電源用の他のコンデンサと同じ高さで、ギリギリだったようです。

完成後の試聴です。
オペアンプ載せ換えの音質インパクトが高すぎて、あまり大きく変わった印象がなく、むしろルビコンのままのほうがよかったんじゃないか? と、思わせるほど、カップリングコンデンサを載せ換える意味は薄かったように感じます。
とはいえ、もう後戻りはできないので、このままでいきます。

メーカーはUSB電源で駆動することを考えてTL062を採用したのだと思いますが、数百円の部品の違いでここまで音が変わるのですから、最初から別のオペアンプを載せてくれればなぁ・・・。と、思ってしまうのでした。
とはいえ、少しの出費で大きく音質向上を果たせたので、大満足の改造でした。

あ、念の為、改造は自己責任で。
保証が受けられなくなりますよ!